4. 懐かしさとともに ステキな自分に出会えるかも

 あの2年間、一つ一つの取り組みや学校生活において「過程」を大切にする中で、その時々の自分の思いや考えをはじめ、書きたいものがあった時、感動体験があった時、自分の言葉で書き残す時間を私は大切にしていました。「過程」を事実の記録としてだけではなく、その時々の心情とともに残すことで、一つ一つの活動をつなぎ、時には活動を広げるきっかけの一つにもなっていたと思います。

 日記であったり、作文であったり、詩であったり、手紙であったり、方法はさまざまでしたが、その時々の自分の思いや考え、感じたことは、その時に心に抱いたもので、その時にしかないものです。今、当時のことを思い出すことはできても、その時、自分が心の中に抱いていたものを思い起こすことは難しいと思います。
 「こんなふうに思っていたなぁ…」くらいは何となく思い出せる人もいるかもしれません。でも、その瞬間、心に抱いたものまでは思い出すことは難しいと思います。あの時に出てきた言葉や湧いた感情は、あの時にしか出てこない言葉であったり、感情であったり、純粋な子どもの心からの言葉や感情だったと思います。

 2年間で書き残してきたものは、十数冊の文集や詩集、手紙集などとして残っています。学級通信の中にも残っています。もし手元に残っているようでしたら、時間がある時にでも少し読み返してみてほしいです…。自分がどれだけ純粋に活動に取り組んでいたのか、豊かな感性を持っていたのか、仲間と力を合わせながら豊かな心を育んでいたのかということに気づくかもしれません。懐かしさとともに、ステキな自分に出会えるかもしれません。    

 わずか10~12歳の子どもたちの純粋で素直な表現は、今の自分を笑顔にしてくれると私は思っています。

                                     つづく… 

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