17.子どもたちのために自然と力をかしてくださるのがお父さんお母さん

 子どもたちが学校で何を学び、何をしているのか…、何を今求めているのか…、どんな課題にどうやって取り組もうとしているのか…、実際にどんなことができているのか…、そして、担任のわたし自身が思い描いていること、その意義をできるだけ具体的に家庭に伝え続けることを心がけていました。

 思春期の入口にいる年齢ですから、家であまり話さない人たちもいたはずです。あなた方が話さなくても、必ず伝わる手段の一つに毎日の通信がありました。毎日お伝えすることで、家庭で一緒に考えたり、悩んだり、解決策を見つけ出したり、家族の方々にも一緒に活動している気もちになっていただけるのではないか、理解と協力をいただくことにつながるのではないかと考えていました。その中で私が大事にしたかったのは、直接教室にはいなくても、あなた方と一緒に楽しんでいただきたいということでした。一緒に楽しんでいただければ、子どもたちのために自然と力をかしてくださるのがお父さんお母さんです。

 異動してきたばかりというだけでなく、皆さんのお父さん、お母さんの方が年齢的にもずっと…?少し…?上でしたので、最初の頃は、保護者やご家族の方々に、「蚕」との出会いを通した活動への理解をいただくことに必死だった記憶があります。しかし、あなた方の活動やクラスへの理解とともに、あなた方のお父さんお母さんの協力は、感謝してもしきれないほど温かく、優しく、大きなものでした。
 あの2年間から年月がどれだけたっても忘れることはありません。むしろ、教員人生を積み重ねるほどに、その感謝の気もちが強くなっています。
                                      つづく…

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