「うぎぁー!」
「うわぁ、すごい!」
「うぉー、気もちわりぃー!」
「もう無理!」
「・・・・・・・・・・」
5月16日。朝から孵化(ふか)が始まりました。
体長はおよそ1~2㎜。小さくて真っ黒で、一見、虫の糞のようにも見えました。
シャーレに白い紙を敷き、倍率20倍の解剖顕微鏡の接眼レンズをのぞくと、そこには神秘的な世界が広がっていました。
あの時のぞいたレンズの向こうに広がっていた世界を覚えているでしょうか…。
肉眼では真っ黒な小さな塊にしか見えなかった毛蚕(けご)は、レンズを通して観ると、頭が大きくて、毛で覆われた体を一生懸命に動かしていました。
「気もち悪い…」としかめっ面になってレンズから目をそらす人、顕微鏡から遠く離れていく人、両腕をさすりながらしゃがみ込んでいる人、教室の端の方に逃げていく人もいました。
無理に観なくても良いのに、それでも恐る恐る顕微鏡に近づき、体を丸めながらついついのぞいてしまう…。そしてまた、しかめっ面で後ずさり…。それでもまた…。
顕微鏡のレンズの向こうには、あなた方にそうさせる魅力があったのだと思います。
何とも可愛らしいあなた方の姿が、懐かしく蘇ってきます。
そしてこの後、さらに神秘的な世界を目にすることになるのです…。
つづく…
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