「糸をとる」ことを決断したあなた方の中に、さらに二つの考えが出ていました。
一つは、自分たちで糸繰りの体験を通して糸をとるという考えでした。もう一つは、この時までに集めてきていた情報の中で、蚕を育てて繭をつくる養蚕業と、できた繭から糸を取り出す製糸業は別のものであるということがわかっていましたので、製糸工場にお願いできないだろうかという考えでした。探究活動の中でこういう情報を収集していた一つ一つの小さな積み重ねや「過程」が、この後の壮大な取り組みにつながっていくことになるのです。
糸にしていただくための製糸工場についても、自分たち自身でいくつか探し始めていました。現実問題として簡単なことではないと思っていましたが、自分たちで考え、判断し、行動を起こし始めたあなた方の活動を見守ることにしていました。
自分たちで考え、判断し、行動してみた結果に対して次にどう動くのか、できるだけあなた方の意思と行動力を尊重し続けました。その中で、私がやるべきことは、必要と思えばより良いと思われる方向性を示すことや、活動の発展につながるような言葉がけや資料提示をしていくことでした。
そんな中、7月6日の放課後、職員室の電話が鳴ると、受話器を取った教頭先生から「中島先生、電話ですよ。」と呼ばれました。受話器に耳をあてると、そこから聞こえてくるのは祐菜さんの声でした。電話の周りには、佳祐(比)さんと有李さんもいるようでした。祐菜さんから、「シルク博物館の電話番号を教えてほしい」という電話でした。
つづく…
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