92.演目は「五年二組蚕日記」に…

 10月は「学習発表会」に向けた取り組みが積極的に進められていました。特別な行事でしたが、あくまでも学習の機会ととらえ、総合的な学習の時間の発表の機会、そして、学級文化として根づいていた活動の中で集めた情報を発信する機会と考えていました。
 自分たちが調べてきたこと、書きとめてきたこと、体験してきたことを「創作朗読劇」という形で発表し、多くの人たちに伝える方法はわたしから提案しました。あなた方の取り組んできたことを限られた時間の中で表現するには、この方法が一番良いと考えていたからです。この創作朗読劇は、予め決まったシナリオを作って演じるのではなく、学習していく中で、伝えたいことを明確にし、その表現方法を考えながらみんなで創っていくものでした。ですから、「練習」というものはなく、その表現方法を考え、「表現」する過程そのものが「創作」時間であり、総合的な学習の時間だと考えていました。
 あなた方は最初、この方法がどういうものなのかを理解することに少し難しさと戸惑いを感じている様子でした。シナリオがあって、それを覚えて表現するということに慣れていたあなた方にとっては不安なスタートだったと思います。しかし、自分たちの学んだことを伝えたい思いが強くなればなるほど、その表現方法は自分たちの必要感から次々に湧き出ていきました。
 
 演目は学級会で話し合い、『五年二組の蚕日記 』となりました。朗読もありますし演技もありましたが、毎回違っていましたし、違っていて良かったのです。その中で自分の伝えたいことがどうすればより伝わるのかを考えて取り組む中に楽しさもありました。

 「蚕の役をやりたい」と言った人たちが、教室の床で蚕の真似をし始め、みんなで大笑いしたあの日のことを思い出します。発表会当日、舞台で表現された蚕の姿には感動さえしました。                        

                                       つづく…               
                                                   

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