96.あなた方の豊かな発想と行動力にわたしの想像力が及ばない…

 わたしも熊澤さんとは何度もお会いし、かつてのこの地域の養蚕の様子をお伺いするとともに、あなた方の学習活動や今後の方向性、具体的に支援していただきたいことをお話をさせていただいていました。碓氷製糸農協も同じであり、他にも、地域の方々をはじめ協力していただく方々とは、同じように連絡を密にとっていました。
 交渉したり、訪ねたり、聞き取り調査を行うのはあなた方(子どもたち)の主体的な活動でしたが、その行動や活動内容が充実した学習になるよう導いていくことが担任としての大切な支援の一つでもあります。
 主体的に学習活動が継続していくためには、あなた方が一つひとつの取り組みに対して無意識のうちに価値観が持てる必要がありました。それをつくり出すためには、あなた方の求めている方向性を見取り、その先にあるものをわたしなりにつかんでおくことと、相手がある場合には、その方に、あなた方がそこまで辿りついた学習内容や活動の過程を伝え、教師として学習上必要と考える点についてはお願いしておく必要もありました。       
 もちろんすべてがそうはいきません。あなた方の豊かな発想と行動力にわたしの想像力が及ばないことが随分とありました。特にあなた方はそういうことの方が多かったかもしれません。しかし、ほんのわずかであっても、見とれる部分があって、学習の方向性を示したい時には、相手側とのコミュニケーションはあなた方の活動を支える有効な支援となりました。

 学校に対する地域の方々の惜しみない協力態勢には、あなた方に対する期待と温かい眼差しがいつもありました。熊澤さんはあなた方の活動内容を高く評価してくださっていました。そして、あなた方の探究姿勢に、「今、わたしが子どもたちに伝えることができるものはすべて伝えてあげたい。」とおっしゃっていました。主体的に地域を探究する姿勢が、熊澤さんの心に届いていたのだと思います。                 
                                       つづく…

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