100.家庭には秘密裏に進められていた…

 10月半ばの放課後は、毎日10人近く残って巨大レンズと巨大まぶしの舞台セットを作っていました。あなた方が「家の人たちには当日まで秘密にしておくんだ」と言っていたので、この頃の取り組みについては、学級通信にもあまり具体的に書くことができませんでした。
 担任のわたしとしては、毎日のあなた方の意欲的な取り組み、その過程での成長をその時々に家庭に伝えたいという思いはありました。しかし、あなた方の願いでもあり、良いものを創りあげている自信があってのことでもあり、秘密にしておいて驚かせたいということがモチベーションにもなっている様子でしたので、通信にも具体的には触れないようにしていました。

 「先生、早く発表したいよ~。今日でもいいよ。」
と、航さんが話してくれたのは、学習発表会一週間前のことでした。自分の表現に高まりを感じ、その気もちから出てきた言葉だったのだと思います。自分たちが表現したいこと、伝えたいことをはっきりと自覚し、その伝えたい内容に自信を持っている様子は航さんだけではありませんでした。こういう気もちを抱くことができていたことも、学んできたことを発信する一つの機会として学習発表会の場を設定したことに大きな意味がありました。
 あの頃、表現したい思いを共有している集団の大きなエネルギーが教室中にみなぎっていました。     
                                      つづく…

コメント