11月20日。第3集『蚕ー私たちの蚕物語ー』が完成しました。
文集や詩集などで友だちの作品を読むのは、読書と同じようにあなた方にとって貴重なものだったと思います。子どもたち同士だけでなく、ご家族の方々にも、ぜひ子どもたちの作品を読んでいただきたいと思っていました。そして、子どもたちと感想交流などができることをわたしは期待していました。
家族に自分の仲間の作品を褒めてもらうことや関心を持ってもらうことで、子どもたちもまた、その仲間の良いところを見つめていきます。このクラスには、そういう雰囲気が当たり前のように広がっていきました…。
わたしは、この『蚕ー私たちの蚕物語ー』の〝おわりに〟に、次のように書いています。
○おわりに
子どもたちは、心に「言葉の宝箱」をもっています。
心が動く感動や感激、書き残しておくべき出来事、伝えたい思いがあるとき、感性豊かな子どもたちの心にある「言葉の宝箱」から、ステキな言葉が生まれてきます。
その言葉は、さがした言葉ではなく、合わせた言葉でもなく、自然と心から生まれてきたものです。宝箱からさがすのではなく、言葉の方が宝箱から出てくるのです。
子どもたちは「蚕」との出会いがありました。「蚕」を育てる活動は、いつしか学級活動の中心にありました。一人の行動やつぶやきがみんなの心に響き、みんなで「蚕」を囲み、蚕とともに互いに成長した子どもたち。
「蚕」との出会いは、多くの人たちとの出会いもつくり出してくれました。地域の方々をはじめ、遠くは群馬県の碓氷製糸農協のみなさん、いつでも子どもたちを見守り、大きな力となってくださいました。家族の皆さんもそうです。多くの支えの中で、子どもたちは自分たちで考え、判断し、行動したのです。子どもたちは自分たちの活動を自分たちの創造力で切り拓いていきました。だからこそ、一つ一つの活動が楽しく、探究するに値するもの、知的好奇心をくすぐるものになっていったのだと思います。
まだまだ「総合的な学習の時間」は続いているのですが、たまごから誕生する蚕を観た5月から生糸を手にする7月までの教室でのドラマを振り返ってみました。
学習発表会の創作劇のナレーションと子どもたちが書き残してきたもので振り返ったのが、この文詩集「蚕ー私たちの蚕物語ー」です。
一つ一つ、子どもたちの「心の宝箱」から自然と出てきた言葉です。これからも、宝箱から言葉が生まれてくるような活動を子どもたちと創造していきたいと、子どもたちが表現したものを読んで、今あらためて思っています。
2000年 11月20日 5年2組 担任 中島 克己
つづく…
コメント