121.「校庭で体育ができないなら… 体育館で創作劇をやらせて欲しい」

 「群馬に行って公演しようよ」という夢のような話も、学習発表会を終えてから何度も出てきていました。無理なことだとわかっていても、茂木さんの前で発表したい、観ていただきたいという思いや願いは、あなた方の素直な心からのものだとわかりますし、簡単に「それは無理」とは言えませんでした。碓氷製糸農協の方々に観ていただけるのはビデオが精いっぱいでした。
 そのような時に、予想もしていなかった茂木組合長さんの来校が決まったのです。子どもたちからお願いしたのではなく、茂木さんの方から「子どもたちに会いたい」と、来てくださることになったのです。
 7月に糸にしていただいたところで満足してあなた方の活動が終わっていたとしたら、あるいは、この時だけの交流であったとしたら、きっとこの機会はなかったと思います。もしかしたら、学習発表会の時の自信や感動もなかったかもしれません。
 継続する「過程」があったからこそ、一つ一つのことが連続性を生み、感動が次々と大きくなっていたのです。一つのきっかけを大事にし、そこから始まった交流の中で、あなた方は素直に自分の思いを伝えたり、行動したりしてきていました。その一つ一つが、人の心を動かしたり、予想もしない出来事へとつながったりしていったのだと思います。
 この時、わたしはもう一つあなた方の姿に思ったことがありました。
 それは、学習発表会の後に書いている人もいましたが、「もう一度発表したかったのかもしれない」ということです。創作を続けていくことはあなた方の中で決まっていたことではありました。しかし、各グループの探究活動が積極的に展開されればされるほど、発表会後は創作活動の時間を取ることはできないでいました。あなた方は、もう一度あの創作劇で自分たちの思いを表現したかったのだと思いました。
 実際に、体育の時に雨が降っていて校庭でソフトボールの授業ができなかった時、「先生、体育館で創作劇がやりたいよ。」と言う人さえいたことを覚えています。
 「校庭で体育ができないなら…、体育館で創作劇をやらせて欲しい。」なんて、今思うと何とも微笑ましいとは思いませんか…。
                                       つづく…                                                

  

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