122.「個性」を認めてあげられる集団づくりがあってこそ

 この連載を始めたばかりの頃にも書いたと思いますが、あの当時「個性の尊重」がとりわけクローズアップされていました。それは今でも変わりません。「個性」を大切にすることは、その子自身のもっているものを伸ばしていくことにつながるのはもちろんのことです。しかし、同時に、「個性」を認めてあげられる集団づくりがあってこそ、一人ひとりの「個性」を尊重することにつながるのだと、あの頃も今もわたしは思っています。                                                             

 ごくわずかな友だちや担任からだけ「個性」として認められるのでは、その「個性」を発揮する場はなかなかないと思います。発揮する場がなければ、その「個性」は、本当の意味でその子にとっての「個性」として生きてこないですし、伸びていかないのではないかと思います。自分の「個性」を発揮できる集団の中で、その子は他人の「個性」も自然と認めてあげられる人に成長していくはずです。                                           

 これは理想なのかもしれないですし、とても時間のかかることかもしれません。大人だって難しいことです。しかし、この時の5年2組のあなた方は、一歩一歩そういう集団づくりをしていたと思います。あなた方はそんなことを意識していたわけではないと思いますが、5年生という心身共に成長著しい中で、「豊かな心」「豊かな人間関係」も少しずつ、それでいて着実に育ち始めていたとわたしは思っています。                                          

 一人ひとりの成長が、集団を成長させるという考えもある一方、この時の5年2組に必要だと感じていたのは、集団が育つことで、一人ひとりが成長し、本当の意味で「個性」を発揮できる環境づくりでした。そして、一人ひとりが、自分の「個性」を皆に認められている中で力が発揮できれば、ますます集団も育っていくと思っていました。5年生の2学期が終わる頃、集団は着実に育ってきていました…。そして、その集団の中であなた方一人ひとりが自分の輝ける場をつかみ始めていました。                                                                                                     

                                      つづく…

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