繭をつくる姿を見ながら、もう二度とあの蚕の姿を見守ることができないということもわかっていました…。繭づくりが始まるということは、成虫への準備が始まったことになります。
「蚕の命」をどうするのか、いよいよ大きな節目の時がきたのです。
命って何? 有李
命って何?
それは生きものにとって
一番大切なもの
命って一つの生きものに
ただ一つだけのもの
だけど世の中には
その一つの命を
と中で終わらせることがある
蚕にとっては
二つの道のどちらかを
選ばれることになるのだ
その道を選ぶのは
私たち人間なのだ…
繭から糸をとるのか… 成虫にするのか…、決断はあなた方に委ねられていました。そして、 その判断の重さを誰もが理解していたと思います。ここまでの一人ひとりの取り組みの「過程」が、真剣に考える支えとなっていました。そして、仲間とともに育て上げてきた蚕への愛情と、主体的で豊かな探究活動が、さまざまな感動の共有を生み、互いの感性を大事に、協力する必要感や信頼感をつくりだしていました。
だからこそ、この時の判断の後に繰り広げられていく活動は、大人の想像や期待をはるかにこえるものへと広がっていったのだと思います。さらに言うならば、今でも、集まれば自然と蚕の話になるくらい、わずか3か月の間に、あなた方は自分たちの学級に豊かな文化を着実に築き始めていました。
つづく…
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