「中島先生、お電話です。」
7月7日の放課後5時ごろだったと思います。校内放送で職員室に呼ばれました。5年2組の教室にいたわたしは職員室に向かい、受話器をとると、「あっ中島先生!」と一磨さんの声でした。あきらかに興奮しているその声の様子から、ただ事ではないことが起きたことを直感しました。祐菜さんや佳祐(比)さん、有李さんたちの時のこともあり、内容を聞く前から既にわくわくしていました。
「群馬の製糸工場に電話したら、繭を宅配便で送ってくれれば糸にしてくれるって。」
一磨さんの声は、受話器から少し耳を離さなければならないほどの大きな声でした。あの時のあなた方にとっては夢のような話で、一磨さんが興奮するのも無理もありませんでした。
あなた方は、自分たちの力でまた一歩前進しました。一磨さんが電話をした前日に、この製糸工場の電話番号と住所にたどり着いたのもあなた方で、その電話番号をたよりに電話をして交渉したのが一磨さんでした。互いに刺激し合い、一つひとつの課題の解決が難しいものであっても、簡単にあきらめたり容易な方へと変更したり、妥協したりすることをせず、自分たちの求めていることを大切にし、より良い方向に進めていくことを望み、楽しんでいるように見えました。一磨さんに「やったな!」と言うと、「うんっ。」と満足そうな声が返ってきました。
早速月曜日にみんなに伝えようと約束して電話を切りました。私もすぐに群馬の製糸農業協同組合に電話をして話をさせていただきました。一磨さんの電話を受けてくださっていたのは、この日から長い間お世話になり、あなた方だけでなく、あなた方の家族、そしてわたし自身、数え切れないほどの感動をいただき、様々なことを学ばせていただくことになる、組合長でいらっしゃった茂木雅雄さんでした。
夢のようなこの話が、この後、現実のものになるだけでなく、あなた方にとって、忘れられない活動へとつながっていくのです。
つづく…
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