草木染め体験への準備が整い始めた9月の終わりころ。紋加さんが、「桑の葉をもってきてほしい」と帰りの会で呼びかけたところ、翌日から早速、家の近くで集められる人たちがたくさんの葉を教室に持ってきてくれました。声をかければ応えてくれる仲間がたくさんいました。
あなた方にとって、互いに情報提供し合あったり協力し合ったりすることは特別なことではありませんでした。一般的に子どもたちは、周りと比較して自分が一番でありたいとか、負けたくないとか、そう思うことが少なくないと思います。それが子どもであって、そういう中でいろいろな経験をして成長していくものだと思います。あなた方も活動が始まったばかりのころはそうだったと思います。競争とは言いませんが、新しい情報を次々に教室に持ってきてくれていたとき、やはりそこには「競い合い」もあったと思います。わたしはそれも必要だと思っていましたし、その後の学習活動の展開には期待していたところもあります。
しかし、そのまま競い合うだけの情報収集では内容が深まらず終わってしまいます。わたしは、あなた方とその情報を一つ一つ深めることに努めました。そこで大事なのは、集まった情報を共有することと、できる限り共通点や関係性を見つけることでした。あなた方は、自分の課題探究が他の人の探究にも必要であったり、またその逆もあったりすることを知ることで、自分以外の課題にも自然と関心を持ち始めていたと思います。そして、課題は違っても、時には一緒に探究する人もいましたし、協力をお願いする人たちもいました。自分の探究課題との間に線引きをせずに取り組めたからこそ、貴重な情報や体験などを見逃したり見過ごしたりすることも少なく、すべてが関わり合ったことで壮大な取り組みへと広がっていったのだとわたしは思っています。
それぞれに探究する課題を持っていても、あなた方の根底には「黒川の養蚕業」、「わたしたちの蚕」があり、自分の探究課題は全体の一部であって、「パズル」のようなものになっていたのだと思います。
つづき…
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