始業式の日、わたしは学級通信「全力投球」の第1球を発行しました。教師であれば新学期に誰もが思うことだと思いますが、あなた方のクラスの担任として、あの時どんな気持ちでいたのかを振り返りたいと思います。
5年生へのご進級おめでとうございます。
今日から新学期のスタートです。高学年の仲間入りをした5年生の子どもたちにとって、それは大切なスタートでもあります。その大切なスタートの日から、子どもたちとともに学校生活をおくらせていただくことになりました5年2組担任の中島克己(ナカジマカツミ)と申します。この4月より、新任時から8年間勤めた高津区の新作小学校から転任してまいりました。どうぞよろしくお願いいたします。
子どもたちは新年度を迎え、いつも以上にわくわくしながら登校してきたことでしょう。これは私も同じです。これを書いている今、明日の始業式で、栗木台小学校で初めて出会う5年2組の子どもたちとのこれからのことを思い浮かべると、楽しみな気もちでわくわくしてきます。一日も早く子どもたち一人一人のことを理解し、また、私自身のことも子どもたちに理解してもらい、互いの信頼関係を築いていきたいという思いでいっぱいです。子ども同士の信頼感、子どもと担任との信頼感、家庭と担任との信頼感を、互いに認め合いながら築いていきたいです。
そのためにも、それぞれの良さが認め合えるような「場」を、教室の中に子どもたちとつくっていきたいです。つくるというよりも、そういう「場」は自然と教室の中に生まれています。そういう日常生活の中でさり気なく生まれている「場」を、たとえ小さくても、認め合える大切な機会にしていきたいと思っています。
誰もが主役になれるだけでなく、誰もが脇役にもなれるクラス、もっと言うならば、主役になっていることにも脇役になっていることにも気づかない、そんなドラマが教室の中で、学校の中で繰り広げられるような豊かな人間関係を、一人一人が持っている36人の「力」と、認め合える36人の「心」でつくりあげていくために、私にできることであれば支援していきたいと思います。
思春期の入口にいる子どもたちですから、さまざまな問題に直面することもあるでしょう。今までに経験しない悩みなどが生まれてくることも考えられます。自分一人の問題もあれば、友だちとの問題も生まれてくるかもしれません。しかし、そういった問題に直面し、自分なりに克服していく中で子どもたちは一つ一つ成長し、生きていくための力を自分で身につけていくことでしょう。 問題に直面しなければ一番良いのかもしれませんが、直面することも自然だと思います。そんな時には、子どもたちを温かく見守り、必要な時には家庭と学校が一つになって子どもたちに適切な支援ができればと思います。
責任を持って大切な子どもたちを預からせていただきますので、なにとぞご理解とご協力をお願いいたします。(学級通信「全力投球」第1球より)
この日から2年間、あなた方と大切な時間を過ごさせていただきました。数え切れないくらいあなた方から学び、笑い、真剣に考えたり、楽しいことをくり広げたり、時には涙を流したり、そのことを拙い文章でしたが、ご家庭に伝え続けた学級通信「全力投球」は、立派に成長して卒業するあなた方を見送る最後には、512球となっていました。
つづく…
コメント
改めてあのときの先生が今の自分より年下なことにびっくりします…
最初はコの字型の席配置とかクラス旗とかいろいろな取組みに面食らったのを思い出します。
いろいろな狙いがあったんだなぁと感心します。