33.優人さんの作文「まぶしを清水さんからゲットした」

 今日の5校時にカイコについてのお話があった。その時に、玄太君と森ちゃんとでまぶしを探しに行こうかと、ひそひそ話をした。そして、汁守神社で待ち合わせをすることにした。学校を出て、急いで家に帰った。リュックサックにノートとふで箱、水とうをつめて汁守神社へ向かった。
 「先にどこから行こうか。」と、ぼくが言うと、三人で相談して、市川ていじさんの家に行くことに決まった。自転車をこぎながら「チャイムはだれが押す?」とぼくが聞くと、「順番にしろよ。」と玄太君が言ったので、玄太君が一番、ぼくが二番、森ちゃんが三番になった。玄太君がチャイムを押すはずなのに、「優人がやれよ。」と言うので、ぼくが押した。チャイムを押すとき、ぼくはすごく緊張した。でも、だれも出てこなかったのでガッカリした。
 次に、市川和夫さんの家に行った。今度は玄太君がチャイムを押したらおばあちゃんが出てきて、聞いてみると、「昔、養蚕はやっていないよ。」と言われた。またガッカリして、今度はぜったい見つけてやるぞと思った。
 外で畑仕事をしていたおじさんにカイコのことを聞いてみたら、「最後までカイコをやっていた清水さんの家なら昔の道具がいっぱいあるよ。」と教えてくれた。清水さんの家へダッシュすると、家からおばさんらしき人が出てきたけれど、くつ下を見たら女子高生だったので、玄太君とくすくす笑ってしまった。その後におばあさんが出てきたので、蚕のことを聞くと、「昔の道具は二十年前に燃やしちゃったよ。でも、物置にあるかもしれないから探してみるよ。」と言ってくれた。
 その前に、ミニミニ資料館にカイコの道具があるかもしれないので3人で行こうとしたら、森ちゃんは時間がないので先に帰った。それから2人で畑仕事をしているおばさんに道を教えてもらった。ミニミニ資料館はあっていたけれど、だれもいなかったのでまちがっている気がして、今度は化石の場所の方に行った。「あの、ゆうびん局の人に聞いてみようよ」と、玄太君が言うので、ぼくが、「ミニミニ資料館はどこですか?」とたずねると、「わからねぇーなぁー。」と言われた。この辺りを配達しているのに、何で知らないのかなぁとぼくは思った。ぼくはあきらめようと思った。でも、玄太君が「優人のおじいちゃんのところに行ってみよう。」と言ったので、田んぼへ向かった。
 田んぼには、清水さんとおじいちゃんが話をしていた。清水さんの持っていたかごの中に、変なものがあった。清水さんは、ニコニコしながら、「これ、みんながほしかった『まぶし』よ」と言った。その時ぼくは、これがまぶしなんだ、と初めて見て感動した。ぼくは、「本当にもらっていいんですか?」と聞くと、「もう使わないからいいよ。」と言ってくれたので、リュックサックに入れて急いで学校へ向かった。その途中、玄太君のまぶしが、ちょっとだけ折れて泥の中に入ってしまった。それをぼくが取って、また急いで学校に向かった。
 学校について、「先生は図工室にいるよ。」と金室さんが教えてくれたので、図工室に急いで行った。先生がいて、先生もおどろいた顔をして見ていた。
 「大発見だよ!」と先生に言われ、うれしかった。

                                       つづく…

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