祐菜さんと有李さんが持ってきてくれた資料が紹介されると、「ぼくたちも行ってきた」と優人さんと英貴さん、康平さんが手を挙げました。前日、3人は農協を訪ねていました。もうすでに閉まっている農協に行き、扉を開けてもらって、かやぶき屋根について聞いてきてくれたことを皆に話してくれました。
3人の話の後、今度は利映さんが「先生、私も…」と言って3冊の本を教室の前に持ってきてくれました。蚕に関する本で、麻生図書館から借りてきてくれたものでした。
5年生が始まってまだ2カ月程しか経っていませんでしたが、今振り返ると、既に特別な活動としてではなく、学校生活の一部として根づき始めていました。それほど魅力のある活動になっていたのです。ただ、わたしの中では、皆が皆、同じように動きだせなくても良いんだよ…、といつも思っていました。
何か始まったらすぐに皆が同じように動き出さなければいけないということはありません。動き出せるきっかけは一人ひとり違いますし、違っていて良いと思っていました。焦る必要もなければ、周りに合わせる必要もないと思っていました。その思いは今も変わりません。。
教室の中に、「過程」を大切に継続する確かな取り組みが広がっていれば、仲間が動き出すきっかけをつくってくれますし、自分がきっかけを与えてあげることもあります。友だちが動き出していることそのものがきっかけになる人もいれば、集まってきた資料がきっかけとなって調べる人もいます。
5年2組の教室では、「蚕」に関わる取り組みが「学級の文化」として広がっていくことで、一人一人その時期やタイミングは違っても、自分が主体的に求めていきたい課題と探究活動に、誰もが出会えていたと思います…。
つづく…
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