誕生から2週間もすると、蚕は大きいもので3~4㎝まで育っていました。最初は「気持ち悪い」と近づけなかった人でも、指に乗せて散歩に出かけていた人もいました。自分で持ってきたプラスティック容器で「わたしの蚕」として育てていた彩華さんは、その蚕が脱皮している瞬間を友だちと観ることもできて感激していました。
この頃、惠子さんが厚木近くの愛川町にお住まいのおばあちゃんの家から借りてきてくれた「糸車」を教室に持ってきてくれました。100年以上前から使っていたものということで、皆、驚いていました。「まぶし」の時と同様、昔使っていたものを写真や本で見ることはできても、なかなか実物を目にしたり手にとったりすることはできないものです。惠子さんは、蚕のことが話題になり始めた4月頃からおばあちゃんに話を聞いたり、さまざまな情報を自ら進んで集めて提供してくれていました。
あなた方にとって、実物との出会いは、五感を働かせながら体感できる貴重な学習の機会となっていました。そして、観たこと、感じたこと、思ったことを、あなた方は日記や作文に残したり、詩で表現していました。
つづく…
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