80.あなた方ならきっとそういう日を迎えるだろう…と

 小板橋さんから届いた手紙に書かれていた中にあった
 「蚕さんに桑の葉を与え、愛情をそそいで育てていくと、蚕さんは人間に繭というすばらしいプレゼントをしてくれます。その繭からは最高の繊維であるシルクのもとである生糸が出来るのですから、なんてすばらしい動物でしょう。」
というところに、特にあなた方は共感していたように記憶しています。
 この小板橋さんの手紙もまた、あなた方の心に大きな価値を見いだしてくれていました。そして、あなた方の成長への大切な「糧」の一つになっていました。わたしはこの手紙を読ませていただいた時、「動きだした子どもたち」が、「動き続ける子どもたち」へとさらに成長していく姿を思い浮かべることができました。茂木さんや小板橋さん、そして碓氷製糸農協の方々に、あらためて感謝の念を強く抱きました。

 子どもであったあなた方の継続活動に「価値」を見いだしてあげられるのは、身近にいる大人たちです。学級通信の文面から、家庭で「蚕」のことを話題にしていただくだけでもそれは大きな支えになっていました。家族が一緒になって考えてくださったり、喜びや感動を共有してくださったり、前向きな言葉一つひとつに、あなた方は子どもなりに高い評価を感じ、価値を見いだすことができていたのです。
 そして、茂木さんをはじめ碓氷製糸農協の方々が、あなた方の活動を認め、讃え、糸にして応えてくださったことも、大きな価値を与えてくださった一つです。こういう積み重ねがあなた方の心を豊かなものへと育んでくれていたことは確かです。

 手紙の最初の方に、「組合長さんは横浜の方によく出張するので、いつか逢える機会があればいいですね。」と書いてあり、この部分を読んだときは、わたしは、そういう機会が実現する日がきて欲しいと願うというよりも、きっと来るだろう…、あなた方ならきっとそういう日を迎えるだろう…と思っていました。
 この時までに茂木さんとそのような話はしていませんでしたが、あなた方の取り組みを見てきたわたしには、あなた方の取り組んできた姿勢を根拠に、そう確信していたのだと思います。それでも、そういう日がそう遠くなく実現することや、その日がどれだけ大きな感動をつくり出すことになるかは想像もしていませんでした…                                                    

                                      つづく…

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