「あっ、生まれている!」
5月15日の朝の教室。卵からけごが誕生し始めていました。まだほんの一部でしたが、予定よりも早く、卵から黒い体をくねくねさせながら出てきていました。あなた方が登校してくるまでには時間があり、わたしは理科室から顕微鏡を運んできて観察できる準備を始めました。
しばらくして登校して来たあなた方は、早速に顕微鏡をのぞいたのですが、皆大騒ぎするだろうな…、と私が想像していた様子とは違って落ち着いていました。前年の経験もあったからかもしれませんが、生まれてくる蚕や生まれた蚕をじっと観察していました。それでも、教室に来るまでに昇降口や廊下で蚕の誕生が始まっている情報を耳にした人たちは、嬉しそうに〝早く観たい〟という表情で教室に駆け込んできました。
まだほんのわずかな誕生でしたが、あなた方は、早速けごに桑の葉をあげていました。この年の蚕に与える最初の桑の葉は、前年に挿し木をして育ててきた桑の葉でした。まだ小さな木で、わずかな数の小さな葉でしたが、青々とした柔らかい葉でした。あなた方ははさみで細く切って与えると、わずか2㎜ほどの黒いけごは、自分の力で葉に上ってきました。そして、むしゃむしゃと食べ始めました。肉眼ではその食べっぷりはわからないのですが、顕微鏡で観ると、体の毛や目、口などはっきりと観ることができて、ものすごい勢いで桑の葉を食べていることがわかりました。
翌日は、テレビ画面で蚕の誕生を拡大生中継…
つづく…
コメント