あなた方に「まぶし」に移された蚕は、繭をつくるための自分の部屋を一生懸命探していました。気に入った部屋が見つかると、頭を動かし、糸を掃いて足場づくりが始まります。そして、少しずつ少しずつ自分の姿を消していきました。前年はこの姿に感激し、驚いていたあなた方も、この年は、繭づくりを始めるところまでに成長した蚕を冷静に見分け、まぶしに移していました。
冷静に…とはいっても、繭づくりをしている蚕の姿には、やはり目がとまります。朝も休み時間も、蚕を育てている「えびら」の周りや「まぶし」の周りを多くの人たちが囲んでいました。6年2組のあなた方だけでなく、他の学年の子どもたちも集まっていました。
きれいな繭をつくっていく感動的な姿を毎日のように観ることができていたことは、今思うと本当に貴重な時間であり、幸せなことだったと思います。まぶしは3つ並べてありましたが、その1つがほぼ満室となり、前年には見ることはできなかったまぶしいっぱいにつくられた繭を見ることもできました。
この繭をどうしようか…と、この年も話し合いました。話し合う前に、誕生した時の様子と、繭を必死につくっている蚕の様子を、これまで撮ってきたビデオの映像で視ました。全員であらためてじっくり視ていると、目の前で今まさに繭をつくっている蚕や、既に繭をつくりあげて姿を隠してしまった蚕が、何とも愛おしく感じてきたのはわたしだけではなかったと思います。
つづく…
コメント