「先生、糸は届いた?」
「まだ届いていないよ」
このころは毎朝、こういう会話が続いていました…。生糸が届いた後の活動、碓氷製糸農協とのかかわりはどのように広がっていくのだろう…、そんなことを私は考え始めていました。あなた方の行動力には、これまで何度も驚き、その探究心や好奇心、可能性を理解していたので、楽しみが膨らんでいました。でも、この時はとにかく、どんな糸になって戻ってくるのかを、あなた方と同じように今か今かと楽しみに待っていました。
7月15日の朝。
ついにその日がやってきました。始業前の教室で
「先生届いた?」
「まだ届いていないよ」
といういつもの会話があった後、一度職員室に戻ると、私の机の上に、出勤時にはなかった大きな封筒が置いてありました。切手がたくさん貼ってあり、「碓氷製糸農業協同組合」と書かれた封筒でした。封筒を手に取ると、その感触から糸であることがわかり、ドキドキしました。
あなた方の繭がついに糸になって返ってきたのです。ここで私が封筒を開けるわけにはいきません。その封筒を持ってすぐに教室に向かいました。
「届いたよ!」
と碓氷製糸農協からの封筒を見せると、ついに来たっ! とばかりに、喜びに満ちたあなた方の瞳が一斉に封筒に注がれました…。
つづく…
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