あの頃は今のように小学生が携帯電話を持っていることはほとんどありませんでした。5人は、何かあれば公衆電話から私の携帯電話に連絡を入れるということになっていましたが、私の方から5人と連絡を取ることはできませんでした。それでも、1学期の間のあなた方の行動力を見ていたわたしは、それほど心配することもなく5人が到着する姿を、信越本線「西松井田駅」でただただ楽しみに待っていました。
5人が乗っているはずの電車が遠くに小さくその姿を現すと、この時は、もしかしたらわたしの方がワクワクしていたかもしれません。改札口に移動して待っていると、階段を上がってくる5人の姿が見えました。皆一様に微笑んでいて、どこか誇らしげな表情だったことを覚えています。
10歳、11歳の子どもたちだけで新幹線に乗り、さらに在来線に乗り換えて群馬の松井田町まで来るというのはかなりの長旅であり、冒険旅行だったと思います。あなた方の取り組む姿を家族が認めてくれていたことと、自分たちのしっかりとした意思、行動力があったからこそ実現できたことだったと思います。
今、この時の旅は大きな心の財産として記憶に残っていることと思います。そして、もし、あなた方にあのころと同じような年ごろの子どもがいて、「友だちと群馬を訪ねたい」と言ってきたとしたらどう応えるでしょうか…。それを考えると、あなた方の行動を支持してくださったお父さんやお母さんへの感謝の気もちが湧いてきませんか…。
つづく…
コメント