5齢を迎えた蚕が食べる桑の葉の量は、養蚕農家では1日にトラック1杯分だったというように、大変なものです。この1,2週間は、あなた方はもちろんのこと、家族の協力もあり、教室には大量の桑の葉が届けられていました。教室では、黒川で昔、実際に養蚕で使われていた「えびら」の上で育てていましたが、蚕が隠れるほどの桑の葉をのせても、800頭近くですからすぐに枝だけになってしまいます。それでも、毎日届けられる桑の葉のおかげで、蚕にひもじい思いをさせることなく育てることができていました。
6月18日の朝、「繭」を作り始めようとしている蚕がいました。あなた方は早速「まぶし」に移しました。可愛がってきた蚕も、いよいよ繭をつくり、その中に身を隠す時が再びやってきました。今後のことについては詳しく話し合いを持ってはいませんでしたが、この時にはすでに、あなた方の心の中では決まっていたと思います。この日から数日間は、あなた方の目の前で、蚕が一生懸命に繭をつくる神秘的なドラマが毎日のように繰り広げられました。
つづく…
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