「総合的な学習の時間」の中の学習活動の一つであり、「学習発表会」のために用意したものではないので、発表会当日の舞台も「結果」を求める必要はありませんでした。ただ、大勢の人たちに自分たちの学習の中で創りあげているものを観ていただける機会であり、担任として、一人ひとり、自分が今、身につけてきているもの、できるようになったものを自信を持って表現して欲しいというの思いは強くもっていたことを覚えています。
「練習してきた‘成果’」ではなく、「学習活動の‘過程’」であり、舞台の上での一人ひとりのめあての段階も違います。そのめあてに向かう過程での努力や姿勢にそれぞれの成長がありました。
「舞台の上で表現することができるようになる」というめあての人…、
「気もちをこめて朗読したい」という人…、
「下を向かず、堂々と思いを伝えるようになりたい」という人…、
あなた方は皆、めあては違っていましたが、自分たちの育てた蚕との出会いから生まれた数々の感動を多くの人たちに伝えたいという点は同じでした。
発表会前日の日記に、こんな思いを書き残しています。
創作劇のいいところは失敗がないんだ。そして、本当のことが伝えられるなんてとってもうれしい。たくさんあった出来事の中で、1年に1度しかないこの日を使って伝えたいのは「蚕」。 利映
20分ぐらいの短い劇だけど、「製糸工場」の人や「シルク博物館」の人、熊澤さん、清水さんのことを考えて演じたいです。 佳祐(富)
この「蚕日記」は、今まで蚕を育てた今年、5年生の時だから出来ることだと思います。このげきは、学習発表会で終わってしまうけど、これから蚕のことをもっとくわしく調べたいです。出来れば、蚕のことをいろいろ教えてくれた黒川の人や碓氷製糸工場の人たち、シルク博物館の人たちにも見せてあげたいけど、来られる人たちだけでもこのげきを見せたいと思います。 有花
「見てほしい!」というよりも、「何かを感じてほしい!」「みんなで協力してつくりあげたんだ!」という気持ちの方が強いと思います。 有李
私は、学習発表会が終わっても、このままずっとそうさくげきを作っていきたいです。私は、明日の学習発表会が楽しみです。それは、自分の発表の場所だからです。今は緊張しているけど、緊張は成功のもとになると思います。早く見てもらいたい、見てほしいと思っています。「クライマックス」がとくに早く見てもらいたいです。
今だから言えるけど、すべてがいいことだと分かりました。私たちのとりくみを生かします。 惠子
ぼくが今考えることは、「早く見せたい!」とかもあるけど、ぼくたちの活動にできるかぎり手をかしてくれた人たちにお礼を言いたいです。「蚕影山和讃」の方たち…。「碓氷製糸工場」の方たち…。手をかしてもらえてよかったです。あと一つあります。100%成功します。 賢太朗
放課後にゆっくりと読ませてもらい、「過程」を大切にしてきた中から生まれたあなた方の心の底からの自信を感じました。この発表会に至るまでの総合的な学習の中で培ってきた力、育んできた心、そして自分たちで深め、広げてきた多くの方々とのふれあいの大切さにあらためて気づかせてもらいました。
「伝えたいことを伝える」という単純なようで、実は、その伝えたい思いが本当に伝えるだけの価値のあるものなのだろうかということを考えられるようになったとき、価値あるものであればあるほど、自信も深まっていくものだとあなた方の姿から感じていました。
つづく…
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