242. 再び地域の伝統的な行事である蚕日待に…

 1月の末、前年の「蚕日待」でお世話になった「蚕影山和讃保存会」の熊澤さんから電話がありました。

 「今年2月の初午は2月7日の平日になりますが、子どもたちはどうでしょうか」

というお誘いの電話でした。あなた方にはもちろんのこと、校長先生にも相談しなければならないことでしたが、私はこのお誘いを心から嬉しく思いました。それは、昨年のあなた方の取り組みや歌っていた姿が、地域の方々の心に届いていたことをあらためて感じたからです。
 あなた方の蚕影山和讃への取り組みは、「蚕日待」への参加を目的としたイベント的なものでなく、探究し、内容を深めた学習活動の一つでした。その中で、「黒川蚕影山和讃」について調べていた人たちを中心にミニ保存会がつくられると、実際に歌う練習が始まり、学習発表会の中で表現し、その延長線上に「蚕日待」への参加がありました。

 5年生の冬、「蚕日待」への参加が決まると、その日に向けて計画的に熱心に取り組んでいたあなた方の姿を思い出します。そして、会場の黒川野外活動センターで、保存会の方々の前で歌い終わった後のあなた方の様子は、緊張から解放されたホッとした表情でした。歌っている様子を隣で見ていても、緊張感が痛いほど伝わってきました。しかし、その緊張感がまた良いものだなと思っていました。貴重な体験をして、保存会の皆さんから〝お褒めの言葉〟をいただいて素直に喜んでいる表情は何とも言えない可愛らしいものでした。そして、その充実感がさらに自分たちの学習活動への探究心を強めていったように思います。

 あの日から一年…。
 再び地域の伝統的な行事である「蚕日待」に参加させていただける話があなた方のもとに…。

 わたしは教室に戻ると、保存会の熊澤さんからのお誘いについて伝えました。すると、間髪入れず「行きたい」「歌いたい」という返事が返ってきました。「蚕影山和讃」は、歌うというよりも唱える歌で難しいものでしたが、この時のあなた方は、いつでも唱えることができました。

つづく…

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