252.「夢」がまさに実現を迎えようと…

 公演まで10日あまりとなった2月20日、都内めぐりから帰ってくると、教頭先生から「群馬の碓氷製糸農協からお電話がありました」という報告を受けました。この時〝きっと3月3日のことだろう…〟と少しドキドキしていました。 
 数日前に全員で手紙を書いて送ったばかりでした。その前に代表の人たちがチケットと自分たちの思いを届けたのですが、忙しい茂木組合長さんが、はるか群馬から二度までも川崎まで観に来てくださるかどうかはわかりませんでしたし、現実問題として難しいだろうという気もちも正直ありました。 
 あらためて電話をくださるということでしたが、こちらからかけようとしたとき、職員室の電話が鳴りました。受話器を取って耳をあてると、あの優しい茂木さんの声でした。茂木さんは最初に、「11月の栗っ子発表会のビデオをみんなで観て、みんなで感動しました」という話をしてくださいました。そして、

 「3日は絶対に行きますので、みんなに頑張ってほしいと伝えてください。」

と……。あなた方の思いは十分に届いたようでした。私は、「6年2組の子どもたちも茂木さんのお気もちは十分にわかっているので、決して無理だけはなさらないでください」と何度もお伝えしたのですが、

 「いやいや、ぜひ行きたいんです。」

と、強く話されました。
 あなた方はあの一年、群馬で演じることを夢見ていました。しかし、それを実現するのは難しいことでした。それでも、どんな形であっても自分たちの2年間の積み重ねを茂木さんに観ていただきたいという「願い」、というか「夢」がありました。それがまさに実現を迎えようとしていました…。
                                        つづく…

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