体育館での準備が整い、10時40分、玄太さんが予定通り校長室に茂木さんをお迎えに行きました。体育館では、あなた方だけでなく、大勢の保護者の皆さんも一緒にお出迎えの列をつくっていました。
司会の声とともにBGMの「威風堂々」が流れると、体育館入口に向かって正面上部から照らされたスポットライトの光の中に茂木さんの姿が現れました。そして、あなた方と保護者の盛大な拍手の道を、優しい笑みを浮かべながらゆっくりと歩いて席に着かれました。こういう演出も全てあなた方のアイデアでした。あなた方は、自分たちのアイデアの効果を幾度となく試していました。その中で、わたしがアドバイスすることも支援することもありませんでした。それほど考え抜かれた充実したものだったのです。今思い返しても、あなた方の演出は本当に素晴らしいものでした…。
茂木さんに正面に座っていただくと、いよいよ「5年2組蚕日記」の特別公演が始まりました。幕が開く前、あなた方は、学習発表会の時とはまた違った思いを心に抱いていたと思います。思いのこもったあなた方の表現を、茂木さんはじっくりと見入り、聴き入っていらっしゃいました。今もっている最高の表現を見せてくれたあなた方のクライマックスの場面での最後の言葉は、学習発表会の時とは違い、
「碓氷製糸農協のみなさんへの感謝も忘れない」
でした。あなた方が自信を持って高く掲げた生糸を、茂木さんはどんな思いでご覧になられていたのでしょうか…。あなた方はきっと、茂木さんに向かって見せていたのだと思います。そういうところも、学習発表会の時とはまた違ったものだったのだと思います。2度目の発表であっても、あなた方の気もちは新鮮だったはずです。わたしにはそう感じる発表であり、表情でした。おそらく、観客のご家族の方々も同じように感じていたのではないかと思います。
つづく…
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