5月11日金曜日の午後、わたしは横浜のシルク博物館に「蚕の卵」を受け取りに行って来ました。前年もシルク博物館からいただいた「蚕の卵」から始まりました。あなた方は「蚕からの贈りもの」を数多く手にしてきましたが、その命の始まりはこのシルク博物館の卵でした。前日の10日とこの日が、申し込みをした県内の小学校、幼稚園に配られる日になってましたが、この日は主に横浜市の小学校が多いようでした。
受け付けで「川崎の栗木台小学校です」と伝えると、受け付けの近くにいらっしゃった館長さんと思われる方に、「あっ、あの栗木台小学校さんですか」と。「あっ…はい」と答えると、「碓氷製糸農協の茂木組合長から、子どもたちの熱心な取り組みをお聞きしています。」と話を続けられました。碓氷製糸農協は当時日本一の製糸工場であり、茂木組合長さんは横浜にしばしば出張にいらっしゃっているようで、その折々にあなた方の話をしてくださっていたようでした。
『蚕は友だち』が完成した時、シルク博物館にも送ることになっていましたが、丁度その頃、今年も育てることが6年2組で決まっていましたので、送るのではなく、卵を受け取りに行くときに、わたしが直接持って行くことになっていました。そしてこの日、受け付けであなた方や茂木さんの話をしてくださった小泉館長さんに、持ってきていた『蚕は友だち』をお渡ししました。小泉さんはすぐに目を通し始めると、うなづきながら、時折目を凝らして読んくださっていました。
卵を受け取った後、養蚕試験所で長年研究をされてきた小泉さんの講習会がありました。スライドを使っての飼育説明と学校教育の中での蚕についてのお話をされました。その中で、栗木台小学校のあなた方の実践が紹介され、私は驚くと同時に、あなた方の取り組んでいたときの生き生きとした表情が次々と思い浮かんできたことを覚えています。
「蚕」を飼うことだけが目的ではなく、蚕を育てることを通して子どもたちが何を学び、どう成長していくのかを『蚕は友だち』を使いながらお話されていました。私は後ろの方で聞いていたのですが、今年も蚕を育てる活動を通し、あなた方は何を考え、どんな行動を自分たちの感性で切り拓いていくのかがますます楽しみになっていました。そして、大切な卵を持って帰りながら、今年も誕生の瞬間に立ち合えることを願っていました。
つづく…
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