「えっ、これが?」
「どこにあるの?」
「ちっちゃい!」
1時間目の教室は大騒ぎでした。
蚕の卵はアブラナの種よりも小さく、砂のような卵でした。本などで見ていた卵の写真は拡大してあるので、あなた方が想像していたものとははるかに違っていた様子で、卵を見たときのあなた方の驚いたような、何とも不思議そうな表情は本当に印象的でした。
想像していたものと違った出会いは好奇心をかき立てられます。出会いが衝撃的であればあるほど好奇心は膨らんでいきます。蚕に関してすでに大きな関心を持って行動していたあなた方は、卵が届くのを心待ちにしていましたので、届いた小さな卵と蚕が結びつかない予想外の出会いは、とてもインパクトのあるものだったと思います。
あの日の卵との出会いから、とてつもなく大きな活動に広がっていくことになるのですが、あの頃はあなた方もあなた方の家族も想像していなかったと思います。それはわたしも同じです。
総合的な学習の時間で、蚕の育て方や育っていく様子を学ぶのではなく、蚕を通して自分たちの住む地域の産業や歴史などを学んでいくという年間のカリキュラムを立てていました。そして、育てる過程を通して、関わり合いから生まれてくるあなた方の世界…、発展していくであろうあなた方の取り組みの一つひとつを期待していました。
蚕の卵と出会った日、あなた方はその時の思いを日記に残しています。
つづく…
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