1.緊張の一瞬

 平成12(2000)年4月5日水曜日、私が栗木台小学校に異動し、あなた方と初めて出会った新学期のスタートの日は雨でした。「着任式」と「始業式」のある特別な一日でしたが、この日のあなた方の、もしかしたらご家族も、一番の関心事は「担任の発表」だったのではないかと思います。
 小学校の新学期。それはいつの時代も、進級する喜びよりも、誰もが新しい出会いにどきどきわくわくし、それに少しの不安を抱いて登校する日だと思います。それはあなた方も同じだったと思います。私も同じでした。

 4月に栗木台小学校に来て、初めて出会う5年2組の子どもたちとのこれからのことを思い浮かべると、楽しみがいっぱいでわくわくしていましたし、それと同じくらい、受け入れてもらえるのかという不安と緊張も感じていました。教師も子どもたちと同じで、心の中では新たに過ごすクラスの子どもたちのことでどきどきしたりわくわくしたり、不安を抱いたりしているものです。特に異動したばかりの最初のクラス発表は、不安の方が大きいものです。

 校長先生が、2年生の担任から発表し始めると、全校児童がそわそわし始めました。担任になって欲しいと願っていた先生の名前が他学年で呼ばれると、がっかりしたような表情を見せる子もいれば、念願かなってガッツポーズをとる子もいました。
 3年生…、4年生と続き、いよいよ5年生…。
 あなた方にとって「緊張の一瞬」だったと思いますが、私も同じでした。
 教師もこの瞬間は誰もがドキドキします。

 「5年2組 中島克己先生」

 「・・・・・・・・・・(シーン)」
                                        つづく…

 

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