7月9日、惠子さんが碓氷製糸農協の茂木組合長さんに電話をして、あなた方の繭を糸にしていただくお願いをしました。茂木さんはこの年も快く引き受けてくださいました。そして、前年は郵パックで送りましたが、今回は自分たちの手で繭を持っていくことをお伝えすると、喜んでくださったということでした。
持っていく日時は、7月30日に決まりました。繭の数もはるかに多く、一つ一つの繭の大きさも前年のものよりも大きいものでした。あなた方は、その繭の質について茂木さんから評価をいただきたいとも考えていました。さらに、もしかしたら自分たちの繭が糸になる過程を少しでも見ることができるのかもしれない…、そんな夢のような話も出ていました。
前の年に蚕を育て始めた時、あなた方だけではなく、碓氷製糸農協のことはわたしも知りませんでした。繭になった後、「糸にしてあげることが蚕にとっても幸せなのでは…」という話し合いの末、あなた方が探し求めていく中でたどり着いたのが碓氷製糸農協でした。
この出会いをあなた方が大切にしていた姿を見ていたからこそ、今、わたしは、この「栗っ子が紡いだあの日々」で、あなた方の2年間の軌跡をたどりたいと思っていたのかもしれません…。
つづく…
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