126.〝もう一度〟ではなく〝新たな積み重ね〟

 実行委員の人たちの話し合いによって、茂木組合長さんをお迎えするこの会(学習)は「『蚕』友の会」と名づけられました。そして、クラス全体での話し合いによって決まった創作劇を観ていただく計画も、当日に向けて動き出していました。12月入るとすぐに体育館の舞台で実際に表現してみました。10月の学習発表会の舞台以来でしたので、舞台の前に一度だけ教室で読み合わせをしてみたのですが、流れの書かれた冊子が必要だったのは担任だけだったような気がします。
 一番最初のナレーターの航さんがナレーションを始めると、あとは、冊子や朗読用のカードがなくても次々につながっていきました。それも淡々とではなく、温かい感情が伝わってくるものでした。ここでも「創作」を続けていたあなた方の姿がありました。そして体育館の舞台の上での表現。碓氷製糸農協や茂木組合長さんを意識して、最後の場面を少しだけ変えてみました。
 伝えたいものがあるから…、伝えたい人がいるから…、伝えようという思いが表情や動きに出てきます。この時もけっして〝練習〟ではなく〝創作〟であり、「過程」に過ぎませんでした。あなた方の12月8日の朗読劇は、〝もう一度〟ではなく〝新たな積み重ね〟だったのです。
 この取り組みで表現力を身につけることも確かに大切な目的の一つでした。しかし、あなた方はそのことを意識する前に、自分たちが伝えたくてたまらない思いを、この創作朗読劇を一つの「手段」として伝えていたにすぎません。そして、あなた方はその積み重ねの中で表現する楽しさを味わいながら技術も身につけていきました。「話し方がうまくなろう」とか、「相手にわかりやすく伝えよう」とかいう技術的な意識ではなく、朗読劇を楽しく創りあげ、創りあげていくことが楽しくなっていく中で、自然と表現力も高まっていきました。表現する楽しさを実感できていたからこそ、同じものなのに、まるで初めて舞台で表現するかのような新鮮な気もちで再び表現しようとしていたのだと思います。                                                                                    

                                      つづく…

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