259.あの時にしか出てこない言葉であり感情…

 心が動く感動や感激、書き残しておくべき出来事、伝えたい思いがあるとき、わたしはその機会を大事にしたい…、生かしたい…、と思っていました。あの2年間、教室の中にはそういうチャンスがたくさんありました。日記や詩、作文に小説、表現する手段は様々ですが、「書く」ことにつながる出会いがあったとき、多少時間をとってでも、書いて表現することに取り組んでいました。日々、書く機会がたくさんあったことを何となくでも覚えているのではないでしょうか…。その書き残したものの中に、わずか一行の文でも、その時にしか書けなかったもの、その時だからこそ書けたものがあったはずです。
 この「栗っ子が紡いだあの日々」の中でも以前書きましたが、その時々の自分の思いや考え、感じたことは、「その時」「その瞬間」に心に抱いたものであって、「その時」「その瞬間」にしかないものです。今、当時のことを思い出すことはできても、「その時」に自分が心の中に抱いていたものを思い起こすことは難しいと思います。
 こんなふうに思っていたなぁ…くらいは何となく思い出せる人もいるかもしれません。でも、「その時」「その瞬間」に心に抱いたものまでは思い出すことは難しいと思います。あの時、自分の心から出てきた言葉や抱いた感情は、あの時にしか出てこない言葉であり感情です。
                                        つづく…

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